リード化合物(何らかの薬としての効果が診られる物質)の創製に始まり開発候補品の選出に至るプロセスを「新薬研究のプロセス」といい、大きくリード化合物創製とリード最適化の2つから成り立っています。
リード化合物創製は、自然のなかや体内に存在する天然物・発酵生産物から、全く新しく、活薬としての効果が期待される化合物を見出す活動のことです。この見出された化合物がリード化合物と呼ばれます。
一方、リード最適化は、リード化合物を基にして様々な化学的変化を行い、薬としての効果が強く、かつ毒性の少ない化合物を見つけ出す活動のことです。このプロセスでは主にコンピュータを用いて、スクリーニングが行われます。
スクリーニングには、新規化合物を幅広い治療目的に対してスクリーニングする手法や、治療目的を決定して幅広い新規化合物をスクリーニングする手法などがあります。現在は幅広い新規化合物を、幅広い目的に高速でスクリーニングするハイスループットと呼ばれる手法が主流となっています。
新薬の研究プロセスは、多額の研究・開発投資を必要とせず、幸運に依存するプロセスといわれています。その事実を示すように、日本製薬工業会の調査によれば、新薬の研究プロセスは、研究・開発費の2割程度しか支出されていません。その上、成功率はたった0.05%しかないのです。
またこのプロセスは基礎研究とも呼ばれ、医薬品企業ではなく、研究者個人が主体となります。エーザイのアリセプトの研究者である杉本八郎氏や、第一三共のメバロチンの研究者である遠藤章氏が、画期的な新薬を研究した研究者として有名です。このプロセスを経て、開発候補品が決定された後には、動物やヒトを対象とした非臨床試験と臨床試験(治験)で、その効果と安全性を確認し、データを国に対して提出する必要があります。