禁煙補助薬「チャンピックス」

ファイザーはニコチンを使わない新しいタイプの禁煙補助薬「チャンピックス」(一般名:バレニクリン酒石酸塩)を発売しました。

ニコチン依存症の患者さんに対する従来の治療は、タバコの代わりにニコチンを補充することによって禁煙に伴うイライラなどの症状を軽減する「ニコチン代替療法」でしたが、チャンピックスは脳のニコチン受容体を刺激し、ドパミンを放出させることによって、禁煙に伴う離脱症状やタバコに対する切望感を軽減するとともに、喫煙による満足感を抑制するという作用機序で禁煙効果を発揮します。

日本国内の喫煙者数は2600万人で、多くの方は禁煙することを望んでいるとされています。しかし、ニコチン依存症はニコチンに対する心理的・身体的な依存が強く、一時的には禁煙に成功しても再発性があるため、本人の意志のみでは克服が困難です。チャンピックスはニコチン依存症に対する薬剤の選択肢を広げ、より効果的な禁煙治療に貢献できると期待されています。

統合失調症治療薬「ロナセン」

大日本住友製薬は、ドーパミン-2受容体およびセロトニン-2受容体に対して強い遮断作用と高い選択性がある統合失調症治療薬「ロナセン錠2mg/4mg、ロナセン散2%」(一般名:ブロナンセリン)を発売しました。

統合失調症は神経伝達物質のドーパミンの過剰分泌が原因の一つと考えられている疾患で、感情のまとまりがなくなることからこの病名がつけられました。10台前後から30歳代での発症が多く、妄想や幻聴、意欲の低下、自閉などの症状が現れます。

ロナセンは、臨床試験においては、幻覚、妄想、意欲低下などに対する改善効果が示されると同時に、体重増加や高プロラクチン血症等の副作用も少ないことが確認されています。

シングレア錠5mg

万有製薬は、1日1回の投与で、アレルギー性鼻炎の3大症状であるくしゃみ、鼻漏、鼻閉の症状を改善する「シングレア錠5mg」(一般名:モンテルカストナトリウム)を発売しました。

気管支喘息の患者さんの約70%がアレルギー鼻炎を併発しているとされていますが、このシングレアは、アレルギー性鼻炎と気管支喘息の双方の治療に有効です。

アマージ錠2.5mg

グラクソ・スミスクラインは投与後24時間にわたって頭痛を改善する新しい片頭痛治療薬「アマージ錠2.5mg」(一般名:ナラトリプタン塩酸塩)を発売しました。

日本国内の片頭痛の患者さんは、日本での疫学調査によると約840万人と推計され、特に20歳~40歳代の女性に多くみられます。これは女性の片頭痛の約70%は月経に関連しているためです。

仕事や日常生活に支障を来たす方が多い中、持続的な効果と再発抑制効果が認められた「アマージ」は、再発を繰り返す患者さんや、痛みが長時間に渡って続く月経に関連した片頭痛発作への有用性が期待されています。

レバチオ錠20mg

ファイザーは、肺動脈性肺高血圧症(PAH)の治療薬「レバチオ錠20mg」(一般名:シルデナフィルクエン酸塩)を発売しました。 肺動脈性肺高血圧症は、肺動脈及び分岐して細くなった血管(毛細管)が収縮・肥厚する病気で、国内の患者数は約6000人と推定されています。運動時の息切れや動悸、失神発作や、顔面や下腿のむくみなどの症状が現れ、患者さんの生活の質は著しく低下します。

レバチオは、勃起不全治療薬(商品名:バイアグラ錠)としても広く使用されている成分のシルデナフィルクエン酸塩が、肺動脈平滑筋が弛緩し、肺動脈圧及び肺血管抵抗を低下させて、患者さんの運動耐容量や肺血行動態を改善させます。

バイアグラと同様に、硝酸薬や一酸化窒素供与薬(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド)との併用により、過度の血圧低下を来す危険がありますので、十分な注意が必要です。

ネクサバール

バイエル薬品は、手術が困難、あるいは免疫療法が効果を示さない進行性の腎細胞がんの患者さんを対象とした抗がん剤「ネクサバール」(一般名:ソラフェニブトシル酸塩)を発売しました。

ネクサバールは、進行性腎細胞がんを適応症として世界で初めて承認を取得した経口分子標的薬で、腫瘍細胞増殖と腫瘍血管新生の両方を阻害することによって、がんの成長を抑制します。

腎細胞がんは、国内における腎がんの患者さん(約1万人)の約80%の方を占めており。国内における罹患数は年々増加傾向にあります。従来、腎細胞がんの治療では、外科手術、その後のインターフェロンαやインターロイキン2による全身免疫療法が、行われてきましたが、外科手術が不可能な患者さんや免疫療法が奏効しない患者さんでは十分な効果を期待できる治療法がありませんでした。

プレシジョン エクシード

オムロンヘルスケアは、血糖値の自己測定器「プレシジョン エクシード」を発売しました。 現在、国内に約740万人いる糖尿病患者さんの9割以上が栄養の取り過ぎや肥満、運動不足など、生活習慣と関係が深い「2型糖尿病」だといわれています。

食事療法や運動療法の経過をみるために、血糖値の自己測定を医師の指導の元に行う患者さんが増えていますが、新発売となる「プレシジョン エクシード」は、指先などから少量の血液を採取するだけです。薬液が血中の糖分と反応したときに発生する電流を測定する「電極法」を採用しているので、およそ5秒後には血糖値が表示されます。

測定時に必要な、血糖測定電極、穿刺器具、穿刺針の周辺機器も同時に発売されました。

メンソレータム フレディCC膣錠

ロート製薬はOTC医薬品(薬局で買える一般医薬品)としては初めてとなる、膣カンジダの再発治療薬「メンソレータム フレディCC膣錠」を発売しました。

膣カンジダは、真菌の一種によって起こる膣炎で、外陰部の激しいかゆみや熱感、痛み、おりものの増量などを症状としています。女性の20%が経験したことがあるとされていますが、本剤の登場により再発時には自分で治療できるようになります。

医療用と同じ「イソコナゾール硝酸塩」を医療用と同量に配合しており、臨床試験で98.4%の高い治療効果が確認されています。

マキロンS キズ軟膏

第一三共ヘルスケアは、ベタつかない透明な軟膏タイプの殺菌消毒薬「マキロンS キズ軟膏」発売しました。マキロンのシリーズはこれまでに、液体タイプと、噴射でキズを殺菌・消毒するエアゾールタイプの2つのタイプがありました。

今回新たに登場した軟膏タイプには、キズの化膿を防ぐ殺菌消毒成分「ベンゼトニウム塩化物」に、かゆみや炎症を抑える「クロルフェニラミンマレイン酸塩」、組織の修復を助ける「アラントイン」の3つの有効成分が配合されており、切り傷やすり傷によく効きます。

そのほかの特徴として、1.小さなキズにも適量が塗れる細口タイプ、2.携帯にも便利な小型チューブ、3.べたつかない使用感などがあります。

解熱鎮痛薬「サリドン Wi」

第一三共ヘルスケアは、解熱鎮痛成分イソプロピルアンチピリン(IPA)とイブプロフェン(IB)の2つの有効成分のはたらきで、頭痛・発熱・生理痛に速く効く「サリドン Wi」を発売しました。

「イソプロピルアンチピリン」は中枢に作用して痛み・発熱を抑え、また、「イブプロフェン」は末梢に作用して痛みの原因物質の発生を抑え、優れた効果を発揮します。1回1錠の服用で効果が持続します。また、眠たくなる成分を配合していませんので仕事の最中に眠気を覚えることもありません。

臨床試験では、頭痛に対する効果として有効以上が98.3%、生理痛に対する効果として有効以上が87.5%という結果が得られています。

ナグラザイム

遺伝子治療薬の研究・開発を手掛けるアンジェスMGは、先天性の難病とされている「ムコ多糖症ⅤⅠ型」向けの治療薬「ナグラザイム」の発売を開始しました。

ムコ多糖症は、ムコ多糖(アミノ糖を成分にもつ多糖の一群)を分解する酵素が、先天的に欠けていることにより、全身に ムコ多糖の切れ端が蓄積し、種々の臓器や組織が次第に損なわれる進行性の病気です。

治療法には骨髄移植術がありますが、ドナー確保の問題や移植に伴うリスクがあり、より安全な薬剤による治療法が求められていました。ナグラザイムは、この欠損している酵素を外部から補うことを目的とした薬剤です。

コラテジェン

遺伝子医薬品の開発を進めるアンジェスMGは、動脈硬化などによって血管内腔が狭くなり血流が悪くなる末梢性血管疾患(閉塞性動脈硬化症、バージャー病)の治療薬として、HGF遺伝子治療薬(製品名:コラテジェン)の承認申請を行ないました。

コラテジェンは虚血部位にHGFを産生する遺伝子を投与し、血管新生を促進して症状のを図る遺伝子治療薬となっています。

本剤は従来の薬と違った新しい作用機序を持っていますので、従来の薬物療法で効果が不十分な患者、手術の施行が困難な患者にも効果があるとされています。

一方、遺伝子の運び役であるベクターにはnakede DNA法を用いているため、ウイするベクターを使用していません。したがって、従来の遺伝子治療薬で懸念されるウイルスベクター由来の安全性上の問題もありません。

ドルチトール

2008年4月から特定健診(いわゆるメタボ健診)が実施され、生活習慣に対する生活者の意識が一層高まっています。しかし、血中の脂質(コレステロール)値が過剰な状態だった場合にどうしてよいのかわからない人が多いことが小林製薬の調査によって明らかになりました。

そこで同社は、血中の脂質(コレステロール)を減らし、血流をサラサラに改善するコレステロール改善薬「ドルチトール」を発売しました。

コレステロールの約20%は食物から吸収されますが、そのほかは体内で合成されると考えられています。この体内で合成されるコレステロールに注目したのがドルチトールです。

この薬には脂溶性が高いビタミンB2の一種であるリボフラビン酪酸エステルを多く含んでおり、コレステロールの元になるアセチルCoAをエネルギー源として代謝するため、コレステロール合成が抑えられ、さらに余分なコレステロールを体外へ排出するのです。

服用は1日2回で、お薬は飲みやすい小粒の錠剤となっています。

生理改善薬「命の母ホワイト」

小林製薬は生理不調に特化した「命の母ホワイト」を発売しました。このお薬は「病気に向かう体の状態」を改善し、体本来に備わっている力を引き出し、不調全般を改善するという東洋医学の考え方をベースとした生理不調改善薬で、11種類の生薬を処方した、飲みやすい錠剤タイプとなっています。

妊娠や出産の関係で女性の体は男性に比べてはるかに繊細なメカニズムになっており、ストレスや不規則な生活、冷えなど、ちょっとした環境変化でそのリズムが乱れてしまいます。

いったんリズムが崩れてしまうと、生理痛のほかにも頭痛や生理周期の乱れなど、様々な不調が現れます。近年の調査では、このような生理周りの不調に悩まされている女性は約870万人もいるといわれています。

血液は、体中に栄養分を届け、老廃物を受け取る役割がありますが、それができなくなると、体の機能が低下してしまいます。さらに、冷えが加わると、血管が収縮するのでますます血の流れが悪くなり悪循環を引き起こします。

女性薬「命の母ホワイト」は、体を温める11種類の生薬が配合されているため、この悪循環を断ち切り、女性の体を正しい状態に導いて生理に伴うさまざまな不調を改善します。

デュロテップ MTパッチ

ヤンセンファーマは経皮吸収型のがん疼痛治療薬「デュロテップ MTパッチ(一般名:フェンタニル)」の製造販売承認を取得しました。適応となるのは“中等~高度の疼痛を伴う各種のがんにおける鎮痛”です。

ゲル状で封入されているリザーバー製剤とは異なり、薄い半透明フィルム状の経皮吸収型製剤(マトリックス製剤)ですので、誤って製剤を切ってしまっても薬液が零れる危険性がないため、安全性の向上が期待できるだけでなく、貼り心地の向上も図られています。

また、モルヒネ製剤以外のオピオイドからの切り替えを行えるようにしたこと、最小用量として2.1mgの新規格製剤を追加し、従来のリザーバー製剤では課題となっていた柔軟な選択と細かい用量調節を行うことが可能となりました。

SP-Dキット ヤマサ EIAⅡ

協和メデックスは、間質性肺炎(肺胞に非感染性の炎症が起こって、壁が厚くなる病気)の診断や経過観察において測定されるSP-D(サーファクタントプロテインD)の検出キット「SP-Dキット ヤマサ EIA Ⅱ」を医療機関、検査施設向けに発売しました。

測定は、2種類の抗ヒトSP-Dモノクローナル抗体、酵素および発色液などを用いるELISA法で、従来は2日間必要であった測定時間も5時間と大幅に短縮し、大量検体を迅速に測定できるようになっています。

間質性肺炎には、特発性や薬剤性などがあり、現在10万人あたり3~5人といわれる発症患者数は、年々増加傾向にあり、簡便で大量に測定できる検査キットのニーズが高まっていました。

シアノキット注射用セット

メルクセローノが、火災などによって発生する緊急時のシアン中毒などの緊急処置の際に使用できるシアノキット注射用セット(一般名:ヒドロキソコバラミン)を発売しました。

セットの内容は、ヒドロキソコバラミンの凍結乾燥製剤、生理食塩液、輸液となっており、病院や救命救急センターでの使用が想定されます。

シアン中毒は、火災などによる煙の吸入から引き起こされますが、迅速な治療が求められるため、診断を待たずにすぐに投与を開始する必要があります。

このシアノキットは、シアンイオンとヒドロキソコバラミンが直接結合することにより、解毒作用を発揮し、迅速な救命救急措置を必要とする患者を安全かつ効果的に治療できます。

想定される一般的な副作用は、皮膚、粘膜および尿の赤色変化などとなっています。

フェスティナビル

がん細胞の中だけで増殖し、がん細胞を破壊する「テロメライシン」をはじめ、がんと感染症に対する新薬開発を行っているオンコリスバイオファーマは、アメリカのFDA(日本の厚生労働省に該当)に対して、HIV感染症治療薬「フェスティナビル」のIND(治験薬臨床試験開始届)申請を行いました。

フェスティナビルは、HIVウイルスが複製される際に必要となるRTと呼ばれる酵素の働きを阻害する新しいタイプの治療薬で、同社は、フェスティナビルの特許を出願したエール大学と独占的ライセンス契約を締結し、その開発および事業化を目指しています。

フェスティナビルの特徴は以下の通りです。


  • 既存の核酸型逆転写酵素阻害剤(NRTI)と同等以上の抗HIV活性を示します。

  • 各種NRTI耐性ウイルスに対して幅広い抗HIV活性を示します。

  • 1日1回投与が期待できます。

  • 従来報告されている末梢神経炎や脂肪肝などの副作用を軽減することが期待されます。


今後、FDAから第I相臨床試験実施の許可が得られ次第、健常人を対象とした第I相臨床試験を実施し、続いてHIV患者における反復投与での効果と安全性を検証する予定です。

ペンタサ錠500

杏林製薬と日清キョーリン製薬は、潰瘍性大腸炎やクローン病の治療剤として1996年より販売されている「ペンタサ錠500(一般名:メサラジン)」の剤形追加として、「ペンタサ錠500」の製造販売承認を取得しました。

従来に比べて、1日の服用錠数を減らすことにより患者負担を軽減し、またカプセル型となっていますので飲み易くなっています。

潰瘍性大腸炎は、何らかの原因により大腸の粘膜に炎症が起こり、ただれや潰瘍ができる病気で、クローン病は、大腸及び小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍をひきおこす病気で、ともに下痢や下血が頻繁に生じる難治性の疾患です。比較的若い世代に見られるのが特徴です。

根本的治療法が無いため、メサラジン製剤やステロイド製剤等により、症状を抑え、緩解状態を維持することが治療目標となっています。