期待高まるアルツハイマー病の新薬開発

現在、日本で承認されているアルツハイマー病の薬は、進行を1~2年遅らせる効果が期待できるドネペジル(商品名:アリセプト)のみとなっています。それで家に新薬への期待は大きく、通常、医師が頼んで受けてもらう治験でも、認知症に関しては患者さんの側から参加の希望が多くなっています。

順天堂大学医学部附属順天堂医院メンタルクリニックで若年性アルツハイマー病専門外来を運営する新井平伊教授は、海外で承認されている進行を遅らせる薬のガランタミンの最終段階の治験を終え、来年の春ごろには承認申請を行えるとしています。

また、免疫療法と呼ばれ、根治薬として期待が高いパピオネオズマブの最終治験も行なう予定です。欧米と同時に行うハーモナイゼーションと呼ばれる新しい方法を用いるもので、アルツハイマー病の治験としては大きな一歩となります。

ジェネリック医薬品が安いわけ

通常、新薬の開発には、新しい有効成分を見つけ出すことや、動物・ヒトによる臨床試験(治験)など、膨大な時間と開発費用がかかります。しかし後発医薬品(ジェネリック医薬品)は、先発医薬品と同じ品質かどうかを確かめる試験のみで、患者への治験が免除されます。

そのため、新薬の開発には10~15年の時間と150~200億円もの費用が必要なのに対し、後発医薬品は3~5年、数千万円の費用で済み、安い価格の設定が可能なのです。一般的には先発医薬品の20~80%の価格が設定されます。

しかし、どんな場合でも安くなるというわけではなく、厚生労働省が2年に1度行う実勢価格調査を元に、薬価の改定が行われます。すると、発売から時間がたてば先発品も後発品も低価格となり、価格差は小さくなります。また、国は医療費の抑制のため後発医薬品の使用を促進していて、2002年から後発医薬品を処方すると処方箋料が2点(20円)高くなったり、保険薬局で請求できる情報提供量が定められたりしました。そのため、双方の価格差がほとんどない場合は、この特別加算を加えると後発医薬品のほうが高くなってしまうことがあります。

2006年4月からは処方箋の様式が変更になり、新薬が処方されたとしても、「ジェネリックに変更しても構わない」という欄にチェックして医師がサインすれば、保険薬局で患者が薬を選択できるようになりました。

プリジスタナイーブ錠

ヤンセンファーマはHIV感染症に適応を有する抗ウイルス化学療法剤「プリジスタナイーブ錠400mg」(一般名:ダルナビル エタノール付加物)を新発売しました。「プリジスタナイーブ錠」は多剤耐性HIVに効果を示す「プリジスタ錠」とは異なり、抗HIV薬による治療経験のない未治療の患者さんを対象としています。

HIVが増殖するために必要なたん白分解酵素「プロテアーゼ」は、感染性を有するウイルスの形成に不可欠なたん白質を、正しい部位で切断する機能を担っているとされます。プロテアーゼ阻害剤(PI)はこの酵素に付着して、切断を阻害することで結果として薬効を得ていると考えられます。

しかしながら、従来のPIではプロテアーゼの成分であるアミノ酸の端に結合するため、これが変異してしまうと薬効が失われるという欠点がありました。これに対し、本剤はアミノ酸が変異しても影響のないアミノ酸部位(主鎖)に作用するため、耐性ができにくいという特性を有します。

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膣カンジダ治療薬「フレディCC」

外陰部の我慢できない痒みなどで多くの女性を悩ませている膣カンジダは、いち早く治療をはじめ掻くこと等による症状の悪化を防ぐことが重要です。膣カンジダは女性の約5人に1人が経験しており、さらに経験者の約半数が再発しているというデータがあります。

しかしながら、再発を自覚しても病院を受診しないと治療ができませんでした。婦人科では膣剤と外用剤を併用するケースが多く、罹患経験のある女性からもクリームが求められていました。

そんななかロート製薬は有効成分である「イソコナゾール硝酸塩」を医療用と同濃度配合した「メンソレータム フレディCCクリーム」を発売しました。内に留まって膣内のカンジダ菌を殺菌する「メンソレータム フレディCC膣錠(先行発売)」と併用することで、症状を抑えて、元からしっかり治すことができます。

薬の用法・用量にも特許

政府は、同じ薬でも飲み方や飲む量によって副作用が少なくなる事例に注目、この分野の研究開発の促進を目的にとして、「知的財産推進計画2009」に、薬の服用法を新たに特許として認める方針を盛り込む予定であることがわかりました。

薬自体やその用途などに関する特許は認められていますが、服用法に特許は採用されていません。しかし、毎日服用するタイプの治療薬の1錠あたりの量を増やして、服用する回数を週1回にしたところ、副作用が小さくなる事例(骨粗鬆症の治療薬)が見られるなど、服用方法の研究が進めば患者の負担軽減につながる医薬品は多いとされています。

ジェネリック医薬品が販売されている薬についても、特許を申請して取得することができます。この場合、旧用法・用量で販売していた製薬会社が新たな用法・用量で販売しようとすれば、特許を取得した会社に特許料を支払うことになるため、薬が割高となる可能性もああります。

鎮痛消炎剤「ジクロテクト」

大正製薬は関節痛や肩こりに伴う肩の痛みなどの症状に効果を発揮する外用鎮痛消炎剤「ジクロテクト」シリーズの販売を開始しました。

本剤は医療用医薬品で使用されている「ジクロフェナクナトリウム」を配合したスイッチOTCで、シクロオキシゲナーゼ(酵素)の活性を阻害し、痛みや炎症の原因物質の生成を抑えます。

患部や好みに合わせて選べるように、テープ剤が2サイズ、ゲル剤とローション剤の4タイプが用意されており、どのタイプでも有効成分が患部に素早く浸透して、痛み・炎症に直接作用します。

塩野義がインフル新薬を投入へ

インフルエンザ治療薬は現在「タミフル」「リレンザ」の2種類しかなく、大流行に備えて供給体制の拡充が急務となっているなか、塩野義製薬は来年にインフルエンザ治療薬を日本市場に投入すると発表。

試験結果では毒性が強い「H5N1型」の鳥インフルエンザウイルスにも効果が認められました。また、第一三共も新薬の開発を進めており、治療の選択肢が増えると期待されています。

新薬は注射剤で、投与には医師の診察と処方が必要となる。タミフルとは違い、新薬は48時間以上が過ぎた後の投与でも効果を期待できます。