増大する医療費の考え方

医療費が膨張して、国の財政を圧迫しているとして長年、政府を中心にその抑制が叫ばれてきましたが、医療現場の状況が厳しくなり、押さえすぎるのもよくないという意見も聞かれますが、どう考えるべきでしょうか。

医療費の統計で、よく使われるのは「国民医療費」です、これは労災や交通事故、自費診療を含め、病気やケガの診断・治療で医療機関や保険薬局などに支払われた総額です(健診、予防接種、出産、美容外科、差額ベッド代、市販約などは除外)。

1970年代から急速に増えた国民医療費は、2008年度には34兆8000億円、2009年度では概算で35兆円を超えました。ただし、2000年度の介護保険導入で一部が医療費から外れたほか、2002,2006年度にも前年比で減少するなど近年、伸びは鈍くなっています。

長年、政府は患者の自己負担を増やして受診にブレーキをかける政策を中心とした、医療費抑制政策を進めてきましたが、小泉政権下では診療報酬のマイナス改定や医療制度改革も行い、高齢化に伴う社会保障費の自然増を毎年2200億円削りました。この間、医療分野の社会保障給付費は明らかに頭打ちとなり、国民医療費との差(主に患者負担)が拡大しました。

薬剤師に聞いた希少疾病用医薬品の話

薬の開発には、莫大な費用と長い年月が費やされますが、患者さんの数が少ない希少疾病を治療するオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)は、開発費用をなかなか回収できないなど問題があり、患者のニーズがありながらもあまり数は出ていません。

オーファンドラッグには、筋萎縮性側索硬化症の治療薬であるリルゾール、クローン病の治療薬であるメサラジンなどがあり、難病で苦しんでいる患者さんを救っています。支援制度としては、製薬会社の開発費の負担軽減や開発費の回収を、できるだけ可能にすることを目的として、助成金を交付したり、研究・開発の面での相談や指導が行われています。

また、新薬の承認申請には手数料がかかりますが、オーファンドラッグに関しては、減額されます。さらに薬価基準に関しても有利になるほか、通常の医薬品の再審査機関が8年なのに対して、オーファンドラッグは10年に延長されています。この再審査期間は、試験データが保護されます

オーファンドラッグを開発することは、製薬企業にとってもメリットはあります。まず、希少疾病は難治性のものが多く、その治療薬を開発できるということは、企業の技術力の高さをアピールできます。また、数少ない患者さんへの薬を開発することで、企業の社会貢献が評価されるでしょう。

調剤薬局、病棟勤務、OTC販売(ドラッグストア)、製薬企業など、薬剤師の転職をサポート。実践的な研修を受けた6年制薬剤師は即戦力と期待されており、転職希望者への求人は減少すると予想されます。キャリアアップをお考えの方は、スキルと専門性を高めておきましょう。

新薬研究のプロセス

リード化合物(何らかの薬としての効果が診られる物質)の創製に始まり開発候補品の選出に至るプロセスを「新薬研究のプロセス」といい、大きくリード化合物創製とリード最適化の2つから成り立っています。

リード化合物創製は、自然のなかや体内に存在する天然物・発酵生産物から、全く新しく、活薬としての効果が期待される化合物を見出す活動のことです。この見出された化合物がリード化合物と呼ばれます。

一方、リード最適化は、リード化合物を基にして様々な化学的変化を行い、薬としての効果が強く、かつ毒性の少ない化合物を見つけ出す活動のことです。このプロセスでは主にコンピュータを用いて、スクリーニングが行われます。

スクリーニングには、新規化合物を幅広い治療目的に対してスクリーニングする手法や、治療目的を決定して幅広い新規化合物をスクリーニングする手法などがあります。現在は幅広い新規化合物を、幅広い目的に高速でスクリーニングするハイスループットと呼ばれる手法が主流となっています。

新薬の研究プロセスは、多額の研究・開発投資を必要とせず、幸運に依存するプロセスといわれています。その事実を示すように、日本製薬工業会の調査によれば、新薬の研究プロセスは、研究・開発費の2割程度しか支出されていません。その上、成功率はたった0.05%しかないのです。

またこのプロセスは基礎研究とも呼ばれ、医薬品企業ではなく、研究者個人が主体となります。エーザイのアリセプトの研究者である杉本八郎氏や、第一三共のメバロチンの研究者である遠藤章氏が、画期的な新薬を研究した研究者として有名です。このプロセスを経て、開発候補品が決定された後には、動物やヒトを対象とした非臨床試験と臨床試験(治験)で、その効果と安全性を確認し、データを国に対して提出する必要があります。

在宅で行う注射・輸液について

医師と看護師は、療養中の患者がよりよい生活を行なうことができるように、日頃から、十分に連携し信頼関係を築いておかなければなりません。

基本的に静脈注射は医療行為であり、医師の診断・治療の一環として行われるものであるため、治療に関する責任が医師にあることは言うまでもありません。看護師は医師の指示を受け、診療の補助業務として静脈注射を行うことになります。

医師は治療行為について看護師に指示することを、患者に説明する必要があります。また、その指示内容や範囲が明確に記載できる文書を作成し、指示者と実施者が契約を交わして、指示内容が双方で確認できることが望ましいでしょう。

特に訪問看護においては、医師と距離を持った中で展開される医療行為となるため、薬液の入手方法、連絡の方法、緊急時の体制、報告のあり方を明確にしておきましょう。患者に起こりえる病態変化に対応できる個別的で具体的な指示内容が必要となります。

看護師は包括的指示の範囲内で、適切な観察、フィジカルな判断、安全が保障されたケアの展開を行い、医師に正確な報告を行います。そのため患者に今、何が起きているのか、緊急性を要するもの、経過をおいてよいかの判断を訪問看護師が行い、対応します。

医療事故、患者と医療者間で紛争が起こった場合に仲介を行い、双方を話し合いの場につくことを支援する医療メディエーターが、2008年以降日本でも注目されるようになりました。

田辺製薬とバイファに行政処分

田辺製薬と同子会社のバイファは4月13日、厚生労働省から薬事法違反により行政処分を受けました。これにより2社は4月17日から5月11日まで製造販売業、4月14日から5月13日まで医薬品製造業を停止することになりました。バイファが開発した組み換えヒトアルブミン製剤(商品名:メドウェイ注)の動物実験などで薬事法違反が認められたこと、子会社を監督できなかったことなどが行政処分の理由です。

田辺製薬が公表した外部有識者による委員会の報告書によるとバイファは、5%製剤のラットを用いたアレルギー反応試験で、試験結果が陽性で不適合になったにも関わらず、院生の試料を用いて再試験を実施しました。さらに5%製剤と25%製剤の安全性試験の参考に行なわれたアンモニア含量の測定試験で、試料を希釈して実施するなどしていたとのこと。

2008年12月に車内からの指摘で問題が発覚。田辺製薬は2009年3月に5%製剤の製造販売承認を取り下げるとともに、25%製剤については字愉快集を実施しました。当時販売されていた25%製剤の品質、安全性に問題がないことが確認されていますが、同社広報部は、「行政処分終了後の販売再開時期については未定で、厚生労働省と相談した上、決定したい」としています。

同社は、行政処分の期間中、営業活動は行えません。ただし、安全管理業務や関節リウマチ治療薬のインフリキシマブ(レミケード)など、代替性のない一部の医薬品の製造販売は行政処分の対象から除外されました。

そのほかの医薬品についても同社の物流センターや卸に約2か月分の在庫があり、医療現場への影響はほとんどないと見られています。また、緊急を要する場合など医療現場からのニースがあれば、医薬品情報や文献の提供にも応じるとしています。中高年に増加している脳梗塞や動脈瘤を発見する脳ドック 東京都を紹介しています。